2026-03-01

【誠品選書】2026年3月おすすめ書籍

当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2026年3月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。

  • 『子どもたちによろしく』
    著者:長崎訓子 出版社:rn press
    人気イラストレーターの著者が「子どもが登
    場する映画」をテーマに20年以上描き続け
    たコラムをまとめた一冊。たとえば戦争下や
    貧困の中、懸命に生きる子どもたちの姿をイ
    ラストとともに解説。子どもは社会を映す鏡
    である、という著者の思いが込められている。

  • 『ひのえうまに生まれて』
    著者:酒井順子 出版社:新潮社
    「丙午」の年に生まれた女性は男性を食い殺
    す、という江戸時代から続く迷信。出生数が
    前年の25%も現象した1966年の丙午生
    まれの著者が、60年ごとに息を吹き返し続
    けたこの伝説が女性を押さえつける格好の装
    置であったことを明らかにする。

  • 『アジア・トイレ紀行』
    著者:山田七絵 内藤寛子 出版社:白水社
    トイレを軸に各地の文化・習慣を読み解くエッ
    セイ集。現地での暮らしや体験談から綴られ
    たエピソードは、公衆衛生、宗教観、ジェン
    ダー等での課題も見えてくる。あまり意識し
    ないトイレという空間が、実は社会の価値観
    や歴史を映す鏡だということに気づく。

  • 『モダンファニチャーヒストリー』
    著者:寺田尚樹 出版社:青幻舎
    産業革命以降に起きた消費革命は大衆の生活
    を大きく変えた。人々は豊かになるとともに
    くらしのディテールにこだわり、デザインが
    部屋の隅々に入り込んだ時代、プロダクツデ
    ザインの巨匠が活躍した19世紀から20世紀末
    までを豊富な図版と解説で概観する。

  • 『仮放免の子どもたち』
    著者:池尾伸一 出版社:講談社
    「仮放免」とは在留資格が得られず「非正規滞在」
    となった外国人に対して、入管が入管収容施設の
    外での生活を認める制度。健康保険にも入れず、
    進学や就労の道もなく、移動も制限されている。
    そういった子どもたちの生活を取材しながら日本
    の外国人政策の実態を明らかにする。

  • 『すごい古典入門 アーレント『人間の条件』』
    著者:戸谷洋志 出版社:中央公論新社
    人間が人間たる条件のうち「労働」だけが突
    出して価値を持つという考え方が支配的にな
    った結果、人は豊かで多様な生き方を奪われ、
    結果として現代世界のさまざまな危機を招来
    したー。20世紀の重要な思想家の主著を、平
    易で明快な語り口で解説する。

  • 『<平等>の人類史』
    著者:ダリン・M.マクマホン 出版社:作品社
    古代の奴隷制に始まり、キリスト教、フラン
    ス革命、主権国家、ファシズム、フェミニズ
    ム、BLM運動まで、時代の多様な社会的課題
    と〈平等〉思想がどう格闘してきたか、丁寧
    な記述で腑に落ちる。現前する差別や格差に
    立ち向かう上で知っておくべき歴史の一冊。

  • 『火葬秘史』
    著者:伊藤博敏 出版社:小学館
    日本における葬儀の変遷を解説し、商売とし
    ての葬儀業の覇権争いを描いたノンフィクシ
    ョン。バブル崩壊や東日本大震災、コロナ禍
    を経て日本の葬送は簡素化が進んでいるが、
    人間だけが行うこの文化が失われていいのか
    という思いから本書は生まれた。

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台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。

2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。