2026-06-01

【誠品選書】2026年6月おすすめ書籍

当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2026年6月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。

  • 『預言者の歌』
    著者:ポール・リンチ 出版社:早川書房
    舞台は近未来のアイルランド。生物学の研究
    者で四人の子供の母でもある女性が主人公。
    国家が全体主義国家へと傾いていくなか、家
    族の幸せな日常が蝕まれていく。ジョージ・
    オーウェル『一九八四年』を想起させるディ
    ストピア小説。2023年ブッカー賞受賞作。

  • 『愛する歌』
    著者:やなせたかし 出版社:サンリオ
    『アンパンマン』の生みの親が、無名時代にサ
    ンリオから出版した伝説の詩集が60年ぶりに
    復刻。愛らしいイラストとともに、人生の孤
    独やほろ苦さ、それを包み込む普遍的な愛を
    詠んだ全46篇を収録。心が疲れた時にそっと
    開きたい、温もり溢れる一冊。

  • 『この家で死にたいと母は言った』
    著者:澤田康彦 出版社:集英社インターナショナル
    実家で一人暮らす高齢の母がガンにー。住み
    慣れた自宅に最期までいたいと願う母に寄り
    沿うために様々な人々の力を借りながら奮闘
    する著者。『暮しの手帖』元編集長が描き出
    す、昭和と平成を生きた母の人生と親子の時
    間、そして闘病三年間に及ぶ“別れ”の記録。

  • 『書庫に水鳥がいなかった日のこと』
    著者:小津夜景 出版社:素粒社
    俳人である著者にとって「漢詩」は音楽に似
    て、ふとした拍子にメロディのように流れて
    くるもの。何気ない日常の一コマで漢詩の一
    節がふと頭に浮かんだときのことを綴ったエッ
    セイ集。国も違えば時代も違う遠い誰かと気
    持ちが通じ合える感覚を教えてくれる一冊。

  • 『バラバラな世界で共に生きる』
    著者:朱喜哲 出版社:NHK出版
    SNSでは日々“正しさ”を巡って分断と対立が
    深まり、連帯や融和を求める声が響かない世
    界で、私たちはどのように他者と語り合える
    か。アメリカの哲学者リチャード・ローティ
    の思想を軸に、共通の基盤を持たない人が、
    それでも共に生きるための方法を指し示す。

  • 『ふたりの読書会』
    著者:向井和美 出版社:岩波書店
    著者に届いた無期受刑者からの手紙を機に、
    塀を越えて始まった往復書簡。手紙を通じて
    本の感想を交わし合う対話からは、一見孤独
    とも思える“読書”という行為が持つ、「他者
    と深く繋がる力」という本質的な側面が見え、
    改めて本の可能性を感じさせる一冊。

  • 『異常に非ず』
    著者:桜木紫乃 出版社:新潮社
    昭和54年、大阪で実際に起きた銀行立てこも
    り事件。なぜこんな事件が起きたのか、本質
    に迫ろうとする新聞記者たちの姿を丹念に描
    いた長編小説。犯罪は個々の暗いところに根
    ざしながら、実のところ時代と社会の歪みが
    生んでいるのではないかと考えさせられる。

  • 『超知能AIをつくれば人類は絶滅する』
    著者:エリーザー・ユドコウスキー ネイト・ソアレス 出版社:早川書房
    超知能AIの開発がこのまま進めば、地球
    上の全ての人類は必ず滅びる。そしてその
    時は、LLM(大規模言語モデル)がより高
    度な「大規模推論モデル」へと進化しつつ
    ある今、確実に近づいているー。元最先端
    の開発者による、反省と告発と提言の書。

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台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。

2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。