2026-01-01

【誠品選書】2026年1月おすすめ書籍

当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2026年1月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。

  • 『置き配的』
    著者:福尾匠 出版社:講談社
    コロナ禍による対人接触の忌避から始まった
    “置き配”の一般化と相似を為すように、日本
    社会におけるコミュニケーションのあり方も
    変化してきたと説く著者。対話の不在が生む、
    一方通行の言葉の応酬がSNSにも横溢する中、
    我々が取るべき方策とは。

  • 『贈り物の本』
    著者:亜紀書房 出版社:牟田都子 青木奈緖 青山ゆみこ
    校正者の牟田都子さんによってえらばれた作
    家、俳優、ミュージシャン、書店主、住職な
    ど、様々なジャンルで活躍している確かな書
    き手による「忘れられない贈り物」がテーマ
    のエッセイ集。名久井直子氏による装丁も美
    しく、まさに贈り物にしたい一冊。

  • 『考察する若者たち』
    著者:三宅香帆 出版社:PHP研究所
    フィクション作品を楽しむにあたって「作者
    の意図」、つまり「正解」を求めたがる近年
    の消費行動。令和時代のヒット作を例に出し
    ながら、リアルがどんどんインターネット的
    になる時代を当たり前として生きる若い世代
    がどんなふうに考えているかを論じた書。

  • 『カフェーの帰り道』
    著者:嶋津輝 出版社:東京創元社
    舞台は大正から昭和にかけての上野界隈。寂
    れたカフェーで働く女給たちを主人公にした
    連作短編集。女性の社会進出に伴い顕著にな
    ったルッキズム、エイジズムの問題なども描
    かれ興味深い。当時の女性たちもいまの私た
    ちと同じように悩んでいたことが伝わる。

  • 『BOXBOXBOXBOX』
    著者:坂本湾 出版社:河出書房新社
    宅配の荷物を仕分ける営業所で、登場人物た
    ちはレーンに流れてくる無数の段ボールを黙
    々と仕分け続ける。「私」であることを必要と
    されない労働において、「私」を保ち続けるこ
    とははたして可能なのか。畳みかける文体が
    特徴の、99年生まれの著者によるデビュー作。

  • 『シリアの家族』
    著者:小松由佳 出版社:集英社
    写真家の著者がシリアで出会い家族となっ
    た人々との記録を描いたノンフィクション。
    内戦、一家離散、喪失のなかでも続いていく
    日常を、報道とは異なる視点で捉える本書は、
    戦争を遠い出来事ではなく、「生活」として
    感じさせる深い一冊。

  • 『凪の人 山野井妙子』
    著者:柏澄子 出版社:山と溪谷社
    世界的クライマー山野井妙子の半生を、過酷
    な登攀だけでなく「待つ時間」「凪の心」まで
    を描いた一冊。極限の山と、静かな日常のあ
    いだで生きる、彼女の挑戦の裏側にある姿か
    らは、強さとは何かを静かに問い直すととも
    に、そっと胸を満たしてくれる。

  • 『陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点』
    著者:黒猫ドラネコ 山崎リュウキチ 藤倉善郎 他 出版社:扶桑社
    現在世界を席巻する陰謀論と排外主義の流行
    は日本にもおよび、政治や社会のあらゆる局
    面で人々の思考や行動に影響を与えている。
    SNSに溢れる非知性的な言説の数々や差別意
    識に塗れた政治運動等の実態からその原因に
    迫る、話題の七名の共著。

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台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。

2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。